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寒ブリ、水揚げに異変

2016/01/23

  冬の味覚「寒ブリ」の水揚げに異変が起こっている。

  富山湾や能登半島のブランド産地で深刻な不漁となっている一方、例年は少ない山陰や九州で漁獲が活発化。魚市場関係者も「過去にもほとんど例がない状況」と首をかしげている。



  富山県の氷見港では寒ブリシーズンが始まった昨年11月から今月20日まで、1匹7キロ以上ある大型ブリの累計水揚げ量が800匹足らずと、昨年同時期の30分の1以下に急減した。地元では「冬の稼ぎ頭を失った」(富山県の水産会社)と落胆が広がっている。

  石川県能登町の宇出津港も漁獲不振に見舞われ、24日に予定していたイベント「のと寒ぶりまつり」を中止。観光業にまで影響が及んでいる。

  不漁の要因について研究機関では「能登半島北沖の海水温が高くブリの回遊ルートが大きく変わったため」(石川県水産総合センター)と分析。日本海を南下する魚群が定置網がある北陸沿岸を通らず、沖合を通過したとみられている。



  こうした予測を裏付けるように、山陰沖では巻き網漁船でブリの漁獲が好転。鳥取県境港漁港の1月の水揚げ量は22日までの累計で450トンと前年同時期の5倍に急増。島根県の浜田港も同時期は3倍以上に増えた。1月中旬からは長崎県の対馬や五島周辺でもブリの漁獲が目立ってきた。

  代替産地が出てきたとはいえ、北陸産の不振が響いて卸値は高値続き。東京・築地市場(中央区)1月中旬の取引価格は、主力の鳥取や長崎産が1キロ当たり1000円前後と前年より2割高。貴重な佐渡産だと1匹で5万円以上と、昨年の倍値に高騰している。
  首都圏の鮮魚店では割高な天然ブリの仕入れを見送り、価格の安定している養殖ブリに切り替える店も増えている。 



  ブリの以外に、エルニーニョ現象の原因で、沢山の水産物は今年不漁の状態にはまっている。今年水産業の皆様はどう生きてゆくかは注目されているが、こんな時こそ有力者の揮う時期だろう。



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